遊びの中から自由な発想が広がる
子どもの内面が豊かに広がる、そんなおもちゃで遊ばせてあげたいですね。川口市にある木のおもちゃメーカー「おもちゃのこまーむ」を、読者モデルの実桜(みお)ちゃん親子と訪れました。
おもちゃを見るなり、実桜ちゃんはすぐに遊び始めました。どんどんおもちゃの世界に集中していくのが分かります。積み上げたり動かしたり黙々と遊ぶこと約50分。3歳にも満たない年齢ながら、集中力が途切れることはありませんでした。「良くできているんですね。だからこんなに集中していられるのだと思います。木のおもちゃって素敵ですね」とお母さん。
しばらくして実桜ちゃんはネコの積み木を箱にしまい始めました。一つ一つに「ネコちゃん、おやすみ」と声をかけながら。こうした“ごっこ遊び”に広がっていくのが良いのだとか。「ごっこ遊びは自分でストーリーを作らなくてはできませんよね。できあがったストーリーをなぞるのではなく、子どもが自ら考え、遊びを発展させるということです。おもちゃとは、遊びの中から子どもの自由な発想や考えを引き出す一つの道具だと思います」と創作者の小松和人代表。
元々小松さんは家業の木型業を手伝っていました。子どもが生まれたとき、その技を生かし、木製三輪車を作ったのがきっかけで、デザインを独学で学び、おもちゃコンサルタントの資格をとり、子どもの成長についても学び、2003年おもちゃメーカーとしてスタートしました。
作品の中で一番人気は「どんぐりころころ」。子どもの好きな“繰り返し遊び”にお勧めです。どんぐりの底にはコルクが張られ、坂道でトコトコと体をゆらしながらかわいらしく動きます。絵本なども坂道代わりになり、遊びの幅も広がります。各1050円。
「最初は回して遊ぶ人形を作ろうとして、息子の反応も見ながら、転がすおもちゃ、坂道での動きを楽しむおもちゃへと発展していきました」。一つ一つの誕生にはこうした試行錯誤があり、そのため製品化できるのは年に1~2品です。製品は全国の専門店や百貨店などで販売されています。
▼おもちゃのこまーむ=川口市栄町1の4の16。電048・251・0041。